今日は、2008年の年末に『ドリームプラン・プレゼン
テーション』というイベントで、プレゼンターに楽曲
提供したときのことをお話してみたいと思います。

この時の体験が、今の自分の価値観を強く決定づけた
瞬間だったなぁと僕は思っています。

さて、それはどんな体験だったのか。

詳しくお伝えしたいと思います。


まず、『ドリームプラン・プレゼンテーション』という
イベントは、簡単に言うと、「大人が本気で夢を語る」
というプレゼンテーション大会なんですね。

それは、ただ語るのではなく、いくつか制約事項があり、
その中には「説明をしてはいけない」「時間は10分間」
など、いろいろなルールがあるんです。


珍しいですよね…。

プレゼンテーションなのに、「説明」できないんです。

説明できないなら、どうすればいいのか?

そこで実は、「体感」してもらうというやり方になるんです。


ということで、

【映像や音楽をフルに使った
10分間の体感型プレゼンテーション】


というのがこのイベントの特徴なのですが、
私はそのプレゼン中の音楽をプレゼンターから依頼されて作る、
という立ち位置だったんです。


ちなみに、このイベントに関わるようになったきっかけは
主催の株式会社アントレプレナーセンターという会社の
福島正伸さんという方とのご縁でした。

この方は、

「自立・創造」「相互支援」「感動・共感」

という3つのキーワードを掲げて、
起業家の育成やコンサルティングを手掛けている方。

僕はこの中でも、「相互支援」という考え方に
強く共感するものがあったんです。


【相手を支援するから、自分が支援される】


いい言葉だなぁと思って、自分の仕事のスタンスも、

「今僕は、この人にどんな支援ができるだろう?」

ということを常に考えるようにしていました。


とはいえ、福島さんが言われる話がすべて
スッと入ってきたわけではないんです。

福島さんという方はある時期からテレビなど、
一切メディアに出ることを辞めているのですが、

その理由が、

「自分が輝くよりも、自分が支援した人が
 テレビに出て輝いている姿の方が、
 何倍も嬉しいことに気付いたから」


というものだったんですね。


僕は、正直、


『うーん。。。それ、ホントですか??(^^ゞ』


と、思ってました。


「そりゃあ、自分が支援した人が輝くことは嬉しい。
 でも、自分も輝かなかったら、意味がないでしょう~?」


そんな風に感じていたんですね。


そんな気持ちを内心に抱えながら、関わっていたのが
この『ドリームプラン・プレゼンテーション』でした。

何人かのプレゼンターの楽曲を担当したのですが、
その中の一人に、同世代の起業家「田中一馬さん」
という人がいました。

彼は「牛も人も同時に幸せになる畜産」を目指していて、
その答えとして【放牧牛肉】を事業化しようとしていました。


放牧をすると、確かに牛はのびのびと育つことができます。

しかしながら、余りにのびのびと運動して育つと、筋肉が
つきすぎてて硬くて美味しくないお肉になるんだそうです。

かつ、牧場の面積や手間は通常の何倍もかかる。

だから、誰一人として畜産家で行う人はいないんだそうです。


でも、


「誰もやらないなら、自分がやる!」


彼は、そう決意して、真摯に自分の事業と向き合ってました。


僕は、いつも作曲の際にその方からヒヤリングをするのですが、
彼とのヒヤリングの時は、彼のそんな心意気に打たれ、
何度も泣いてしまいました。

心の中の何かが反応し、自然に涙がこぼれました。

そうして、いつしか僕の中には、心の底から
『彼を応援したい』という気持ちが芽生えていったんです。


その当時、僕は海外に1週間ほど行く予定などもあり、
かなりタイトなスケジュールだったのですが、
できる限りこだわって曲を作りました。

出国前に、成田空港のターミナルから携帯電話をかけ、

「さっき出がけに音源送りました。確認してください。
 何かあれば、帰国後すぐに対応しますので!!」

というやりとりをしたことを今でも覚えています。


そして楽曲を作り、迎えたイベント当日。

8名中、2番目が彼の出番。

僕は、客席から、彼のプレゼンテーションを
ドキドキしながら待っていました。


「それでは、次のプレゼンター、田中一馬さんです!」


ナレーターの声が響いた瞬間、

なぜか、心臓がバクバク動きだしたんです。


『え・・・??
 普段ライブでステージに
 立っても緊張しない僕が??』



自分で自分が信じられませんでした。


僕の音楽をBGMに、淡々と自らの想いを伝える彼。

自分のこと以上に、手に汗握り応援している自分に驚きました。


冷静に考えたら、客席にいる人間が今更どうしたって、
プレゼンの出来は1ミリも変わらないわけです。


なのに、願ってしまう。


『最高のプレゼンが出来ますように!!
 がんばれ!!』



こんな感覚は、初めてでした。


そして10分間のプレゼンテーション中、
僕はずっと、泣いていました。


よく、感動した時に「号泣した!」って言うじゃないですか。

その時の僕は、「号泣」どころではなかったですね。

もう「嗚咽(おえつ)」みたいな感じで、
ずっとハンカチを口にあてて、わななきそうな自分を
懸命にこらえていました。


そして結果発表。

おしくも彼は、「感動大賞」「共感大賞」という2つある賞の
入賞は、かないませんでした。

『あぁ、、、惜しかった。。』

賞が目的ではないとはいえ、内心、ガックリしました。


ところが、その後次のようなナレーションが入ったんです。


「今回、感動大賞・共感大賞の各賞ごとの投票数は劣るものの、
 総合得票数でいえば最も多かったプレゼンターが別にいます」


あたりがざわきました。


「それは・・・」


場内に緊張が走りました。


「それは・・・田中一馬さん!!」


ワァッと、満堂の拍手が沸き起こりました。


「おめでとう!!!」「一馬くん、おめでとう!!」


会場中が、彼を称える歓声と拍手で覆い尽くされました。


僕は、、、

客席で、ハンカチを口にあてて、ただ泣いていました。


本当に、嬉しかった。


今まで、自分がスポットライトを浴びてきたどんな瞬間より、
この時、心から感動することが出来たんです。


【自分が輝くより、人が輝く方が嬉しい】


初めてわかりました。

本当に、そうなんだと。


人を輝かせるよろこびは、自分が輝くのとはケタ違い。

自分のために流す涙より、人のために流す涙の方が
何倍も何倍も感動的だということを、僕は知りました。

それは同時に、自分のやっている仕事が、
どれだけ幸せな仕事であるかを、体感した瞬間でした。


自分のためでなく、人を輝かせるために歌う。

これからも、人を輝かせるための音楽を貫きながら、
ソングレターアーティストの道を進んでいきます。

感謝を込めて…。