今日は、ある結婚式にてソングレターを作曲&演奏
させていただいた時のことをお話してみたいと思います。

僕には、この仕事を通して伝えたいメッセージが
いくつかありますが、その中のひとつが、

【親に感謝を伝えることで、人生が変わる】

ということです。

このソングレターの共演は、僕にそのことを改めて
強く感じさせてくれました。

ある時、もともと知り合いであった新婦さんから
連絡がありました。

「安達さん。実は今度結婚式を挙げるのですが、
その席で、是非ソングレターを贈りたいんです。
お願いできますか?」

それを聞いて、僕は

「そうですか!おめでとうございます。
喜んで共演させていただきますね。
では、今回は、誰にどんな想いを伝えたいですか?」

と尋ねました。

すると、彼女は少し間を置いて、こう答えました。

「34年間、ずっと言えずにきた
母親に対する『ありがとう』の言葉を、
この時に、伝えたいんです」

聞くところによると、彼女のお母様は、とてもエネルギッシュ。

他人に積極的にかかわる人で、特に娘にはやること
なすこと例外なく反対してきたそうです。

彼女にとってはそれがどうしても嫌で仕方がなく、
実家を7年前に出て、気持ちの面でも、物理的な面でも、
疎遠な状態が続いていたそうでした。

ところが、東京に来てからいろいろな出来事、出逢いがあり、
彼女の心境に変化が生じました。

そんな流れの中で、一大決心した彼女は、結婚式で
母親に感謝を伝えたいと決意するんですね。

(「今回の結婚式を逃したら、きっと一生伝えられないから」
という彼女の言葉が印象に残っています)

でも、やっぱり直接だとどうしても言えそうにない。

そこで、ソングレターの存在を知っていた彼女は、
「この想いを、歌に託したい」と依頼してくれたんですね。

4時間にわたるヒヤリングを経て、曲は完成しました。

その中で彼女が口にした言葉『お母さんの子供でよかった』が
そのままタイトルになりました。

ところが、曲が出来たものの、僕の中には迷いがありました。

というのも、彼女の母親は

「結婚式で手紙を読んだり、感謝を伝えたり、
なんてことは、絶対にやらないでほしい」

と彼女に伝えていたそうなんです。

そこに、見ず知らずの自分が出て行って、決定的な
『お母さんの子供でよかった』という言葉を伝えることは、
本当に良いことなのだろうか?

何度も何度も、自問自答しました。

そうこうしているうちに、徐々に結婚式の日が近づいてきます。

僕も不安を残しながら、当日を迎えました。

ところが、式場にて早めに司会者と打合せをしている際に、
式場の人が一通の手紙を持って、やって来たのです。

聞けば、

「ご新婦様のお母様から、司会者の方に『この手紙を
式の中で読み上げてほしい』とお預かりしました」

とのこと。

「一体、どんなことが書いてあるんだろう?」と思いながら
おそるおそる手紙を開いたところ、
そこに書いてあったのは、

「子を思う親心」

そのものでした。。。

一連の経緯を知っていた僕は、思わず目に涙を浮かべました。

『よかった…。これで、自信を持って
ソングレターを演奏できる!』

そして式本番を迎えたのです。

ソングレターの演奏が終わり、あたたかい拍手に包まれる中、
「新婦の母からの手紙」を司会者が朗読。

そこには、本当に神聖な空間がありました。

そしてなんと、次に「新婦から母への手紙」が読まれたのでした。

ずっと言えずにきた「ありがとう」の気持ち。

作曲前は「面と向かっては絶対に言えない」と言っていた言葉。

それを、新婦自身が、自らの口で母親に伝えている姿は、
「感動」という言葉では足りないくらい、心が震える瞬間でした。

後日談として、彼女はその数ヶ月後、あるプレゼンテーション
大会に出場することになります。

本当にやりたい夢を、1000人の前で語るというチャレンジ。

ソングレターでのヒヤリングや、結婚式の体験を通して
母親との「つながり」を確認した彼女は、そこから一気に
自分のやりたい事業の具現化を加速していきます。

一番想いを伝えたいのに、一番伝えられなかった相手。

そんな相手にしっかりと想いを伝えられた人は、それ以外の
場面でも、自信を持って想いを表現できるようになります。

それは、自分自身や、このような共演のご縁をいただくたびに
本当に痛感することです。

【親に感謝を伝えることで、人生が変わる】

だけど、人によってはそれが他の何よりも難しいことである
場合もあります。

音楽がその手助けになるなら、素晴らしいことだと思います。

これからも、ソングレターアーティストとして、人生が変わる
ようなシーンの手助けができるよう、努力したいと思います。

感謝を込めて…。