私の持論の一つに、

 「アーティストは一人では世に出られない」

 というものがあります。

 私は今でこそ、たった一人のために曲を贈る「ソングレター」を仕事に
 していますが、最初からこれを仕事にしようと思ってはいませんでした。

 元々のきっかけは、ネット上で出会ったリストカットの中学生の女の子に
 「元気になってもらいたい」と、曲をプレゼントしたのが始まりでした。

 そこから何人もの人に無償で曲を贈るというボランティアのような
 音楽活動を続けること3年、私に転機が訪れました。

 それは、福島正伸さんという方の『夢・実践会』という連続講座でした。

 一人の力で叶えられない夢も、相互支援で皆が助け合えば必ず叶う。

 それを実践するための会でした。

 実は、私はその会に参加していません。

 でも、その会で私の人生は変わりました。

 なぜかというと、大学時代から私を応援してくれていた後輩が、

 「安達充という人間を世に出したい!」

 という夢をもってそこに参加していたからです。

 「君がそこまで応援する人なら、僕らも力を貸すよ!」

 彼の本気が周りに伝わり、その場にいた人達のご縁で、

 『居酒屋てっぺんのドキュメンタリーDVDで主題歌を歌う』

 という私の初仕事が決まっていきました。

 今でも思いますが、その時のことがなければ、私は今でもアルバイトを
 しながら細々と音楽活動をする人生を送っていたかもしれません。

 「アーティストは一人では世に出られない」

 これは、そんな私の経験から来る持論です。

 そして時は流れ、昨年開催された『夢・実践会』の第7期(最終回)にて、
 私はある一人のプレゼンテーションに心を奪われました。

 その人の名前は、杉崎かなえさん。

▼杉崎かなえ ~ otonoha kanaeru dream ~
 http://ameblo.jp/otonoha134/

 彼女は親の期待に応えるように、10年間薬剤師をしてきたけれども、
 本当はずっとずっと歌が歌いたかった。

 —– 私は、歌で人を癒したい! ——

 そうしてアカペラで歌い始めた彼女の透き通るような歌声は、私の心に
 強く響きました。

 6年前、同じ講座によって音楽を仕事にすることが出来た自分が、
 その最終回で「これから音楽で生きていきたい!」という女性の決意を
 聴いている、という巡り合わせが運命的に思えました。

 その後、実際に仕事を辞めた彼女は、プレゼンで宣言した通り夢を叶え、
 現在は六本木サテンドールなどでJAZZボーカリストとして活躍中です。

 とはいえ、音楽ひとつで生きていくのは大変なことです。

 6年前、私が後輩にしてもらったように、今度は彼女が世に出るための
 サポートをするのが、私の「恩送り」のような気がしていました。

 そんな想いから今回、「ドリームプラン・プレゼンテーション」という夢を語る
 イベントのテーマソングを作り、それを彼女に歌ってもらうことにしました。

▼ドリームプラン・プレゼンテーション
 http://drepla.com/

 元プレゼンターの松舘敦子さんという方が作詞をし、
 このイベントに長年関わってきた私が作曲をし、
 一度のプレゼンで人生が変わり、実際に夢を叶えた彼女が歌う。

 彼女自身の歩んできた道のり、そして彼女の名前「かなえ」を含めても
 【夢をかなえるための応援歌】を歌うに最もふさわしいと思いました。

 そして、一つのハードルを設けました。

 それは、レコーディングのための費用を、Web上でカンパを募る
 『チャリティポット』という仕組みで、皆からの支援によって集めること。

 「アーティストは一人では世に出られない」

 という言葉の通り、一人のアーティストや、一つの楽曲が世に出ていく
 ためには、たくさんの方の共感や応援が必要です。

 それを達成する過程で、彼女に今以上に多くの応援者やファンが
 増えてくれたらと思ってのことでした。

 そして、先週13日に、彼女は見事100%の募金額を達成。

 その翌日に行われた『ドリームプラン・プレゼンテーション2013』
 の懇親会では、東京ドームシティホール(2300人収容)のステージ
 からその歌声を響かせました。

 私はアリーナから一人の観客としてそれを聴いていたのですが、
 「恩送り」を一つ果たせたような、感慨深いものを感じていました。

 まだ私自身も発展途上のアーティストであり、人を育てるほどの
 大きな実績を上げているとは思いません。

 ただ、ソングレターの本質は「自らが輝くための音楽」ではなく
 「誰かを輝かせるための音楽」。

 今回のように、楽曲を提供することで、他のアーティストを輝かせて
 いくことも、自分にとってやりがいのある活動だと気づきました。

 ソングレターが誕生してから今年が10年目の節目になります。

 この10年、まずは自分自身が一アーティストとして曲を作り、
 歌を歌うことに専念してきましたが、これからの10年は、

 『他のアーティストの存在を通して自分の音楽を奏でていく』

 ことの比率を高めていきたいという気持ちになりました。

(もちろん、自分で歌わなくなるという意味ではありません)

 ありがたいことに、それを後押しするかのように
 「自分もソングレターアーティストになりたい」「作曲を教えてほしい」
 「ソングレターを自分で歌いたい」「安達さんの歌をカバーしたい」
 という声が年々増えています。

 来年以降、ソングレターはそんなステージに行ければと思っています。

 よろしければ、これからも応援をよろしくお願いします。